今さらだけど…防犯カメラと監視カメラはどこが違うの?

「防犯」と「監視」で揺れるセキュリティへの意識
現在では、街のいたる所に防犯カメラが設置されています。
生活のあらゆるシーンで安全を見守ってくれている防犯カメラは、実際に犯罪の抑止や解決に大きな役割を果たすなど、有益な存在であることに異論はないはずです。
携帯電話と同じく、現代社会はもはやこれ無しの生活に戻ることは考えられないのが本音ではないでしょうか。
防犯カメラに頼るこうした現状に、「日本もすっかり監視社会になった」などと批判的な見方をする人もありますが、ここで気になるのが「防犯カメラ」と「監視カメラ」は同じなのか違うのか、その違いはどこにあるのかということです。
ひと頃、「監視」という語感は人聞きが悪く、上から人を疑ってかかる物言いに聞こえるので便宜上「防犯」と言い替えているだけだ、などと言われたことがあります。
確かに、人通りの多い繁華街や公道、店舗内に防犯カメラが設置されていることには納得しても、マンションのエントランスやエレベーター内、戸建て住宅の玄関でもカメラに見つめられていると気づけば、居心地の悪い思いをするでしょう。
しかし防犯カメラと監視カメラは、その設置目的や性能などにおいて、全く似て非なるものと考えるべきなのです。
「防犯」と「監視」で揺れるセキュリティへの意識
「他人の目」を感じるか、感じないか
防犯カメラは、犯罪行為を抑止するのが最大の目的です。
人が意図的な犯罪行為に及ぶとき、まず周囲の人の目があるかどうかを気にするものですが、防犯カメラは「いつも見ているぞ」という無言の強いメッセージを伝えます。
そのため、不特定多数の人が集まる商業地や施設内などの、万引きや誘拐、恐喝その他の犯罪が起きやすいスポットでは、できるだけ犯罪が起きないようにするための対策として防犯カメラの設置が常識化していった経緯があります。
また「いつも見られている」という意識を喚起するには、ある程度カメラの存在が分かるほうが良いので、場合によってはダミーカメラであっても一定の抑止効果はあるというのが定説です。
これに対して監視カメラは、犯罪の瞬間や犯罪者を特定することと、そのために周囲を警戒して見張ることが主眼となります。
そのため、機器そのものは小型で目立たないように設置されますが、近年は技術の進歩で性能が向上し、高解像が高いものや赤外線による暗視カメラなども普及しています。
但し、粗悪な監視カメラでは顔や姿の画像解析ができないものが多いので注意が必要です。
24時間作動している監視カメラは、地震や台風など災害時の状況を記録する防災カメラとして、また定点ライブカメラなどとしても活用されています。
「他人の目」を感じるか、感じないか
カメラの特性を知って犯罪を抑止
防犯カメラは、いざと言う時に有益に働く必要があるので、警察などで定めた機器および設置規格に準じた製品を「防犯カメラ」、それ以外の製品を「監視カメラ」と呼ぶ分類方法もあります。
防犯カメラは画像解析を前提にした設計なので、鮮明な画像や映像が得られ、犯人の特定も比較的容易です。
警察での被害相談などに際しては、防犯カメラの画像や映像を証拠として提出することができるので、できれば録画機能付きの機種が理想と言えます。
近所で犯罪や事件が多発するという場合なら、自宅から外に向けて監視カメラを設置すると、犯人の特定に役立ちます。
但しこの場合、個人が所有する敷地外で監視のためにカメラを設置すると、プライバシー侵害にあたる場合があるので注意してください。
金融機関のATMコーナーでは、室内に防犯カメラ、現金払出機の中に監視カメラを設置するというように、特性に合わせた使い分けをする活用例が知られています。
防犯カメラ、監視カメラは幅広い価格帯で様々なスペックの製品が出回っているので、ニーズや予算に合ったものをじっくり選び、犯罪から企業や個人を守りましょう。
カメラの特性を知って犯罪を抑止
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